法人破産の手続
法人破産に向けての準備や裁判所に申し立てた後の手続の流れについてご説明致します。法人破産申立に向けての準備
法人破産の申立を行うには、裁判所に破産申立てに必要な書類一式を提出することになります。
もちろん、裁判所に書類を提出しなければならないのは個人破産でも同じですが、法人破産には個人破産と異なり、以下のような特殊性があります。
・債権者(金融機関や取引先)が多数このように、法人破産では、申立ての過程において、複雑かつ多岐にわたる契約関係、取引関係、財産関係の整理が必要です。
・従業員の処遇も問題になる(給与、解雇予告手当、退職金の支払い等)
・在庫や売掛金など会社財産の保全・回収が必要
・リースや賃貸借関係の処理が必要
これらの関係や状況を整理して申立書一式を裁判所に提出します。
法人破産申立後の流れ
破産申立書一式を裁判所に提出した後の流れは、次のとおりです。
【裁判所による破産管財人の選任】
裁判所により破産手続開始決定が出されます。それと同時に、裁判所により「破産管財人」(申立代理人とは別の弁護士が選任されます)が選任されます。
【破産管財人による債権調査、換価業務等】
破産管財人が、破産債権の調査や会社財産の回収・換価を進めます。
この手続の中で、破産管財人は申立人から申立てに至った事情などを聴取するため、面接を行います。
破産を申し立てた後は、申立人は破産管財人の調査に協力することが必要となります。
【配当または異時廃止】
第一回の債権者集会が開始決定から数ヶ月後(3か月程度)に開催されます。破産管財人により財産の回収・換価が図られ、債権者に配当するだけの財産(「破産財団」といいます)が形成された場合には、破産管財人により、債権者に対する配当手続が進められます。第一回の債権者集会までに管財業務が終わらない場合もあり、その場合は、第二回、第三回と債権者集会が行われます。
一方で、債権者に配当できるだけの破産財団が形成されなかった場合には、 配当手続には進まず、そのまま破産手続は終結します(異時廃止)。
手続が終了すると、法人格は消滅します。